おはよう、後輩A君。
AIと仕事をしていると、同じ説明を何度もしていることに気づかないかな。
「専門用語はやめてね」「報告は箇条書きでね」「日付はちゃんと確かめてね」。私は毎回のように言っていたんだ。AIは会話が変わると、前の話を覚えていないことが多いからね。
そこで9月26日に、自分のことを1枚の紙にまとめて、AIに毎回読んでもらうようにしたんだよ。「自分.md」というファイルなんだ。
作ってみたら、思っていなかったことが2つ起きたんだ。AIが覚えていた私が、本当の私とずれていたこと。そしてファイルを置いただけでは、読まれなかったことだよ。順番に書くね。
1. 毎回、同じことを説明していたんだよ
私がAIに何度も言っていたのは、たとえばこんなことなんだ。
・コンピュータの言葉は使っていい。でもそれ以外の専門用語は、ふつうの言葉にしてほしい
・報告は箇条書きで、的確に
・公開や送信は、必ず私に見せてから
・日付は毎回確かめてほしい(間違いが何度もあったから)
どれも大事なことだよね。でも毎回言うのは疲れるし、言い忘れた日に限って困ったことが起きるんだ。
⚠️ 大事なことほど、言わなくても伝わる形にしておきたいんだよね。
2. 6つの見出しで、1つずつ質問してもらったんだよ
自分で一から書くのは大変だから、AIに質問してもらいながら作ったんだ。頼み方はこうだよ。
自分.mdを作りたい。次の6つの見出しに沿って、1つずつ質問して。
私について/話し方・説明のしかた/進め方の好み/文章・資料の好み/大事にしていること/目標
パスワード・住所・お客さまの名前は入れないで。
「1つずつ」がよかったんだよ。6つまとめて聞かれると、どれも浅くなるからね。
⚠️ 最後の1行も大事なんだ。このファイルは、これからずっとAIに読ませるものだよね。読ませてはいけないものは、最初から入れないと決めておいたんだ。
質問に答えていくと、自分でも気づいていなかった好みが言葉になったよ。たとえば「報告は箇条書きで」は、聞かれて初めて口に出したんだ。いつも心の中で思っていただけだったんだよね。
3. AIの下書きに「エンジニアではない」と書いてあったんだよ
ここで1つ、驚いたことがあったんだ。
AIは質問するときに、それまでの記録から下書きを先に出してくれたんだよ。「分かっていることはこうだけど、合っている?」という形だね。答えやすくて助かったんだ。
⚠️ でもその下書きの1行目が、こうだったんだよ。
エンジニアではない
私は長くシステムの仕事をしているんだ。エンジニアでないどころか、それが本業なんだよね。
調べてみたら、AIが毎回読んでいる設定のファイルに、昔の私が「私は非エンジニアです。専門用語はなるべく避けて」と書いていたんだ。AIはそれを、ずっとまじめに守っていたんだよ。
⚠️ つまり、AIが知っている私は、私が昔書いた私だったんだ。
ここで分かったのは、こういうことなんだよ。
AIの記録は、書いた時点のまま止まっている。
だから下書きは便利だけれど、最後は自分の言葉で直す。
4. 作ったら、点検してもらったんだよ
できあがった自分.mdを、AIに点検してもらったんだ。頼み方はこうだよ。
この自分.mdを、次の5つの観点で点検して。
毎回はいらない手順/重複/あいまいな言葉/古い情報/ルール同士の矛盾
直す案だけ出して、勝手に消さないで。
出てきた案は、たとえばこんなものだったよ。
・日付のことを2つの行で言っている → 1行にまとめる
・「アラレちゃん風」がどんな話し方か決まっていない → 語尾の例を書き足す
・Excelの作業のときだけの注意が入っている → 外して、ブログ用のメモに移す
・⚠️ 設定ファイルの「非エンジニア」と、自分.mdの「長くシステムの仕事」が食い違っている
いちばん大きかったのは、最後の食い違いだね。2つのファイルを両方読ませると、AIはどっちを信じればいいか迷うんだ。3章の話がそのまま出てきたんだよ。
⚠️ 「直す案だけ出して、勝手に消さないで」と書いておいたのもよかったんだ。案を見て、直すものと、今のままにするものを自分で選べたからね。全部を直したわけじゃないんだよ。
5. 置いただけでは、読まれなかったんだよ
最初、自分.mdをパソコンのデスクトップに置いたんだ。すぐに気づいて移したよ。デスクトップは、画面をのぞいた人に見えるからね。自分の目標や好みが書いてある紙を、机の上に広げておくようなものなんだ。人から見えない場所にしまったよ。
⚠️ そして、しまっただけではAIは読んでくれなかったんだ。
私が使っているAI(Claude Code)は、決まった名前の設定ファイルだけを毎回読むしくみなんだよ。好きな名前で置いたファイルは、そのままでは読まれないんだ。
だから、その設定ファイルの最後に1行だけ足したんだよ。
@(自分.mdを置いた場所)
「@のうしろに書いたファイルも、一緒に読んでね」という合図なんだ。これで、次に始める会話から、毎回読まれるようになったんだよ。
ついでに、設定ファイルの「非エンジニア」の行も、自分.mdに合わせて書き直したよ。1人の人について、2枚の紙が違うことを言わないようにしたんだ。
6. 見直しも、仕組みにしたんだよ
3章で分かったとおり、書いた紙は、書いた時点で止まるんだよね。私のほうは毎月変わっていくのにね。
だから最後に、毎月1日の朝5時に、AIが自分.mdを見直してくれるようにしたんだ。頼み方はこうだよ。
毎月1日の朝5時に、自分.mdを見直すルーティンを作って。
① 最近の会話から、足すことと古いことを提案する
② 長すぎないか、重複や矛盾がないか点検する
③ 自分.mdは書き換えず、提案だけ出す
⚠️ ③がいちばん大事なんだ。AIが勝手に自分.mdを書き換えると、3章と同じことが起きるんだよ。AIが思う私に、少しずつ書き換わっていってしまうからね。提案はAI、決めるのは私、と分けておいたんだ。
足す案には、私が会話の中で実際に言った言葉を根拠として添えてもらうことにしたよ。AIの思い込みで足されないようにね。
結論:自分の説明書は、作って・点検して・見直すんだよ
今日の話をまとめるとこうだね。
① 毎回言っていることは、1枚にまとめて毎回読ませる
② 作るときは、見出しを決めて1つずつ質問してもらう。読ませてはいけないものは最初から入れない
③ ⚠️ AIの下書きは便利だけれど、書いた時点で止まっている。最後は自分の言葉で直す
④ 作ったら点検してもらう。⚠️ 直す案だけ出してもらい、選ぶのは自分
⑤ ⚠️ 置いただけでは読まれない。読ませる1行を足す。人から見えない場所に置く
⑥ 見直しも仕組みにする。⚠️ AIには提案だけをしてもらう
私がいちばん驚いたのは、3章の「エンジニアではない」だったんだ。AIに伝えていた自分と、本当の自分が、いつの間にかずれていたんだよね。AIはそれを疑わずに、ずっと守ってくれていたんだ。
後輩A君も、AIに同じ説明を何度もしていると思ったら、それを1枚にしてみようか。
そして一度だけでいいから、AIが覚えている自分を、AIに書き出してもらって読んでみようか。思っていた自分と違うところが、きっと1つは見つかるよ。
よくある質問
Q1. 何から書けばいいか分かりません
自分で書かなくていいんだよ。2章の頼み方をそのまま使って、AIに1つずつ質問してもらおうか。答えるだけで形になるんだ。⚠️ 最初から完璧にしなくていいよ。6章の見直しで、少しずつ育っていくからね。
Q2. 書いてはいけないことはありますか
パスワード・住所・お客さまの名前は入れないでね。⚠️ このファイルは、これからのすべての会話で読まれるんだ。どの会話で読まれても困らないことだけを書こうか。
Q3. Claude Code以外のAIでもできますか
似たしくみを持っているAIは多いよ。「自分のことを覚えておく欄」や「毎回読ませる指示」を置ける場所があるんだ。⚠️ ただ、私が試したのはClaude Codeだけなんだ。ほかのAIでの置き場所は、それぞれの説明を見て確かめてね。
Q4. どのくらいの長さがいいですか
私のは6つの見出しで、50行ちょっとだよ。⚠️ 長くなるほど、大事なことが埋もれるんだ。だから見直しのときに「長すぎないか」も点検してもらっているよ。特定の作業のときだけの注意は、自分.mdではなく、その作業用のメモに移すのがいいと思うんだ。
【本日のミッション:AIに、自分のことを書き出してもらおうか】
- ☐ AIに何度も言っていることを、3つ書き出してみようか
- ☐ 2章の頼み方で、6つの見出しの自分.mdを作ってみようか
- ☐ できたら4章の頼み方で、点検してもらおうか。⚠️ 直すかどうかは自分で決めてね
- ☐ (後輩A君へ)AIは、あなたが昔教えたあなたを、ずっとまじめに守っているんだ。だから、今のあなたを教え直してあげようか。それはAIのためじゃなくて、自分をもう一度知るためでもあるんだよ
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