エクセルで人日の合計と人月が合わない。間違いじゃなくて、丸める場所がちがうだけなんだよ

電卓には11.4、エクセルの合計には11.3と出ている。先輩が画面を指差し、後輩A君が驚いて見比べている絵。上に丸める場所が、ちがうだけの文字 A君の成長

おはよう、後輩A君。

作業の時間を人日と人月に直して報告するとき、見えている人日を電卓で足すと、合計の欄と合わないことはないかな。人月まで、少しだけずれていることがあるんだよ。

先に答えを言うね。⭐ これはエクセルの間違いではないんだ。どこで丸めるか(四捨五入して、小数のけたを短くすること)の違いなんだよ。私は、人日を先に四捨五入してから人月を作っているんだ。

10月31日に、Mac版のエクセルで、丸め方を変えた表を並べて試したよ。数字は、試すために作ったものだよ。

1. 人日と人月って、こういうことだよ

私の仕事では、月に1回、作業の時間を報告しているんだ。記録は時間でつけているけれど、報告は人日と人月を並べて書いているよ。

先に、言葉を言い換えておくね。

人日(にんにち)= 1人が1日でする仕事の量。1日は8時間
人月(にんげつ)= 1人が1か月でする仕事の量。1か月は20日(20人日)

たとえば16時間の作業なら、16÷8で2人日だよ。1人なら2日、2人なら1日かかる量、ということなんだ。20人日で1人月になるよ。

私の報告では、時間は小数第2位まで、人日は小数第1位まで、人月は小数第2位まで出しているんだ。

⚠️ そのとき、人日に小数があると、人日と人月が合わないことがあるんだよ。細かく見る人が見ると、そこを指摘されるんだ。だから私は、人日を先に四捨五入してから、人月の数字を作るようにしているよ。これも面倒な話だよね。

2. こんな表で試したんだよ

Mac版のエクセルで、こんな表を作ったんだ。表は命令(プログラム)で作って、数字も命令で入れたよ。⚠️ 数字は試し用に作ったもので、実際の報告の数字ではないんだ。

A列 作業A〜作業D
B列 時間(小数第2位まで見せる) 33.25/18.00/24.75/14.00
C列 人日(小数第1位まで見せる)
6行目 合計(=SUM で足す)
7行目 人月 =C6/20(小数第2位まで見せる)

時間の合計は90.00だよ。

人日の作り方を、2とおりに変えて試したんだ。

A 見せ方だけ丸める → 人日の式は =B2/8。セルの見せ方(表示形式)で小数第1位までにしただけ
B 先に四捨五入する → 人日の式は =ROUND(B2/8,1)(私がしている、人日を先に四捨五入するやり方)

ROUND(ラウンド)は、数を四捨五入する式だよ。=ROUND(B2/8,1) は、「B2を8で割って、小数第1位までに四捨五入する」という意味なんだ。

そして、セルに見えている数(見た目)と、エクセルが本当に持っている数(中身)を、命令で読み出して比べたよ。

3. ⚠️ 見えている人日を足すと11.4なのに、合計は11.3だったんだよ

まず、A(見せ方だけ丸める)の表だよ。
見せ方だけ丸めた表。人日は4.2、2.3、3.1、1.8と見えていて、合計のセルは =SUM(C2:C5) で11.3と出ている
見えている4つの人日を電卓で足すと、こうなるよ。

4.2+2.3+3.1+1.8=11.4
合計の欄 → ⚠️ 11.3

人月の欄も見てみようか。
同じ表の人月のセル。式は =C6/20 で、0.56と出ている

見えている人日の和 11.4÷20=0.57
人月の欄 → ⚠️ 0.56

⚠️ 見えている数で確かめると、合計も人月も合わないことになるんだ。

ちなみに、見えている合計の11.3を20で割っても0.565で、小数第2位に四捨五入すると0.57になるよ。人月の欄の0.56とは、やっぱり合わないんだ。

4. エクセルの間違いじゃなくて、丸める場所の違いなんだよ

Aの表の中身を読み出すと、こうなっていたよ。

作業 時間 人日の中身 人日の見た目
作業A 33.25 4.15625 4.2
作業B 18.00 2.25 2.3
作業C 24.75 3.09375 3.1
作業D 14.00 1.75 1.8
合計 90.00 ⭐ 11.25 11.3
人月 ⭐ 0.5625 0.56

⇒ 4つの人日は、どれも見た目のほうが中身より少しだけ大きく見えていたんだ(4.15625が4.2、2.25が2.3、3.09375が3.1、1.75が1.8)。電卓で足したのは、この少し大きい見た目のほうだよ。

でもエクセルは、合計を中身で足していたんだ。中身の和は11.25で(90時間÷8でも11.25だね)、それを小数第1位まで見せたのが11.3だよ。人月も、中身の11.25÷20=0.5625を、小数第2位まで見せて0.56なんだ。

エクセルが足し算を見た目ではなく中身でしている話は、数字が「####」になる記事に書いたよ。

つまり、Aの表では、丸めているのは見せるときだけなんだ。

A 時間 → 人日(中身はそのまま。見せるときだけ丸める)→ 中身で足す → 合計11.25を11.3と見せる

⭐ 計算はどこも間違っていないんだよ。丸める場所が、見る人の思っている場所と違っていただけなんだ。

前に、再計算されない記事で、電卓など、エクセルの外で確かめると安心だよ、と書いたね。電卓で確かめてずれたときは、まず丸める場所を疑ってみようか。

5. 私は、人日を先に四捨五入してから人月を作っているよ

次は、B(先に四捨五入する)の表だよ。人日の式を =ROUND(B2/8,1) にしたんだ。
人日を先に四捨五入した表。人日は4.2、2.3、3.1、1.8で、合計のセルは =SUM(C2:C5) で11.4と出ている

人日の見た目 4.2・2.3・3.1・1.8 → ⭐ 中身も同じ
合計 → ⭐ 11.4(中身も11.4)

人日の中身が、もう四捨五入した数になっているから、合計も見えている数のとおり11.4になったんだ。
同じ表の人月のセル。式は =C6/20 で、0.57と出ている

人月の式 =C6/20(Aと同じ)
人月 → ⭐ 0.57(中身も0.57)

⭐ 見えている人日を電卓で足すと11.4、20で割ると0.57。見えている数と、合計・人月が合ったよ。

つまり、Bの表では、人日のところで丸めているんだ。

B 時間 → 人日を四捨五入する(中身も4.2など)→ 足す → 合計11.4 → 人月0.57

人月の式は、AとBで同じ =C6/20 だよ。変えたのは、人日の式に ROUND を入れたことだけなんだ。

6. ずれないときもあったんだよ

もう1つ、時間を変えた表(C)も、Aと同じ見せ方だけ丸めるやり方で試したよ。時間は 28.25/17.75/10.25/33.25 にしたんだ。

作業 時間 人日の中身 人日の見た目
作業A 28.25 3.53125 3.5
作業B 17.75 2.21875 2.2
作業C 10.25 1.28125 1.3
作業D 33.25 4.15625 4.2
合計 11.1875 ⭐ 11.2
人月 0.559375 ⭐ 0.56

見えている人日を足すと 3.5+2.2+1.3+4.2=11.2、11.2÷20=0.56 だよ。⭐ こちらは合ったんだ。

Cでは、見た目が中身より小さいもの(3.5と2.2)と、大きいもの(1.3と4.2)が混ざっていたよ。

⇒ 見せ方だけ丸めるやり方だと、ずれるときと、ずれないときがあるんだ。数字しだいなんだよ。だから、一度合ったからといって、次の月も合うとはかぎらないんだよね。

3つの表をくらべると、こうなったよ。

表 人日の式 見えている人日の和 合計の欄 人月の欄
A 見せ方だけ =B2/8 11.4 ⚠️ 11.3 ⚠️ 0.56
B 先に四捨五入 =ROUND(B2/8,1) 11.4 ⭐ 11.4 ⭐ 0.57
C 見せ方だけ(時間を変えた) =B2/8 11.2 11.2 0.56

7. どこで丸めるかは、表を見る相手と決めるんだよ

今日の試しで分かったのは、ずれの原因は丸める場所だということなんだ。

見せ方だけで丸める → 合計と人月は中身から作られる。見えている数を足すと、ずれることがある
人日の式で四捨五入する → 合計と人月は見えている人日から作られる。今日の表では、見えている数と合った

⚠️ Bにすると、合計は11.4になって、時間から直接出した 90÷8=11.25 とは少し離れるよ。どちらも計算は正しくて、どこで丸めたかが違うだけなんだ。

⇒ だから、どこで丸めるかを先に決めて、式に入れるのが大事なんだよ。たとえば「人日の段階で四捨五入する」と決めたら、人日の式に ROUND を入れるんだ。

決めるのは、自分ひとりではなく、表を見る相手と一緒にがいいよ。

8. ⚠️ 今日測れなかったこと

・測ったのはMac版のエクセルだよ。Windows版は試していないんだ
・エクセルの設定「表示桁数で計算する」は、さわっていないよ。この設定にしたらどうなるかは分からないんだ
・丸め方は四捨五入(ROUND)だけ試したよ。ROUNDUP や ROUNDDOWN を使ったときは試していないんだ
・作業は4行だけで試したよ。作業がもっと多いときは試していないんだ
・表は命令(プログラム)で作って、数字も命令で入れたよ

9. エクセルの記事、これで30本目だよ

前の29本目は、行を足したのに合計が変わらない話だったね。あのときは、足した行が合計の範囲に入らず、合計そのものが間違っていたんだ。

今日は、それとは違うんだよ。

29本目 → 合計の式の範囲が足りなくて、合計が間違っていた
30本目(今日) → 合計は合っていて、見えている数が丸められていた

同じ「合計がおかしい」でも、中を見ると原因が違うんだよ。

結論:人日の合計と人月が合わないのは、丸める場所の違い。どこで丸めるかを決めて、式に入れようか

今日試した結果をまとめるとこうだよ。

① 人日を見せ方だけ丸めると、見えている人日の和は11.4なのに、合計は11.3、人月は0.56だった
② 合計の11.3は、時間から出した11.25を見せ方で丸めた数。計算の間違いではなく、丸める場所の違い
③ 人日の式を =ROUND(B2/8,1) にして先に四捨五入すると、合計11.4・人月0.57で、見えている数と合った
④ 見せ方だけ丸めても、ずれないときもある。数字しだい
⑤ どこで丸めるかを、表を見る相手と決めて、式に入れる

電卓で確かめて数字がずれると、ドキッとするよね。でも、エクセルが間違えたわけではないんだ。

どこで丸めるかを先に決めて、式に入れておく。それだけで、見る人が電卓で足しても、ちゃんと合う表になるんだよ。

よくある質問

Q1. セルの見せ方で小数を1けたにすれば、それで十分ですか

見せ方(表示形式)で変わるのは、見た目だけなんだ。今日のAの表では、中身は4.15625のままだったよ。⚠️ だから、見えている人日を足すと、合計とずれることがあったんだ(11.4と11.3)。Cの表のように合うときもあるけれど、それは数字しだいだよ。⇒ 見えている数と合わせたいなら、人日の式に ROUND を入れようか。

Q2. 人日を先に四捨五入すると、合計が時間から出した数と変わりませんか

変わるよ。今日のBの表では合計が11.4で、時間の合計から直接出すと 90÷8=11.25 だね。どちらかが間違いなのではなくて、どこで丸めたかの違いなんだ。⇒ どちらの数で報告するかは、表を見る相手と一緒に決めようか。私は、人日を先に四捨五入して、見えている数と合うほうにしているよ。

Q3. 「表示桁数で計算する」という設定を使えば、合いますか

⚠️ 今日は、この設定にさわっていないんだ。だから、合うかどうかは分からないよ。今日試して合ったのは、人日の式に ROUND を入れるやり方だよ。

【本日のミッション:どこで丸めるかを決めてみようか】

  • ☐ 自分の表で、見えている数を電卓で足して、合計の欄とくらべてみようか
  • ☐ 人日のセルを選んで、上の式の欄(数式バー)に ROUND が入っているか見てみようか
  • ☐ どこで丸めるかを、表を見る相手と決めてみようか
  • ☐ (後輩A君へ)電卓とずれても、エクセルの間違いではないんだよ。丸める場所を決めて、式に入れてみようか

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