【仕事効率化】保存される記事と、されない記事。分かれ目は長さじゃなかったんだよ

A君の成長

おはよう、後輩A君。

私はブログの他に、あるコミュニティのナレッジ共有サービスにも記事を書いているんだ。そこには「ブックマーク」という機能があって、読んだ人が「これは取っておこう」と思った記事を保存できるんだよ。

先日、その数字を眺めていて、私はこう思ったんだよね。「やっぱり、じっくり書いた長い記事ほど保存されるんだな」と。

でもね、数字を並べ替えてみたら――その考えは、きれいにひっくり返ったんだよ。今日はその話をするよ。ブログの話に見えるけれど、後輩A君が書く手順書や資料にも、そのまま当てはまる話なんだ。

1. 「長いほど保存される」と思っていたんだよ

まず、私が何を見て勘違いしたかを説明するね。

保存された数を多い順に並べると、上位に来るのはボリュームのある記事だったんだよ。だから私はこう考えた。「読み応えがあるから、一度で読み切れない。だから保存しておくんだな」と。

もっともらしいよね。実際、後輩A君もそう思わないかい。

でもね、この見方にはがあったんだよ。保存された数だけを見ていたんだ。

考えてみてほしい。たくさん読まれた記事は、保存する人の母数も多いよね。だから「よく読まれている」だけで、保存数は自然と増えるんだよ。これでは「保存されやすい記事」を見つけたことにはならないんだ。

そこで私は、見る数字を変えてみたんだよ。

2. 保存率で並べ替えたら、順位がひっくり返ったんだよ

使ったのは保存率――つまり「読んだ人のうち、何%が保存したか」だよ。保存数を閲覧数で割るだけの、簡単な計算だね。

これで並べ替えたら、こうなったんだ。

①設定のやり方をまとめた記事   閲覧95 → 保存16(16.8%
②動画の作り方をまとめた記事  閲覧327 → 保存54(16.5%
③教材をまるごと記事化(前編) 閲覧41 → 保存2(4.9%
④教材をまるごと記事化(後編) 閲覧45 → 保存2(4.4%

見てほしいのは③と④だよ。この2本は、私が書いた中でいちばんボリュームのある記事なんだ。丸一日かけて書いた、力作のつもりだった。

その2本が、保存率で最下位だったんだよ。上位の①とは3倍以上の差がついている。

そして①を見てほしい。これは短い記事なんだ。設定のやり方を淡々と並べただけの、あっさりした記事だよ。それがいちばん保存されている

「長いから保存される」は、完全に間違いだったんだよね。

3. 分かれ目は「もう一度開くか」だったんだよ

じゃあ、①②と③④の違いは何なのか。並べてみたら、はっきりしたんだよ。

保存された記事 = 設定するとき・作るときに横に置いて見るもの
保存されない記事 = 読んで納得したらそれで終わるもの

①は設定作業の途中で開く。②は動画を作りながら開く。手順や数値やコピーする文が入っているから、作業のたびに戻ってくるんだよ。

③④は違ったんだ。読めば分かる。分かったら、もう開かない。いい話だった、で終わってしまうんだよね。

つまり、保存の分かれ目はこれなんだ。

あとで手を動かすとき、もう一度開く必要があるか。

長い記事が保存されるんじゃないんだよ。持ち帰れるものが入っている記事が保存され、その結果として長くなる――順番が逆だったんだ。私はずっと、結果の方を原因だと思い込んでいたんだよね。

4. 読者が、答えを言葉にしてくれたんだよ

この考えが正しいのか、正直まだ自信がなかったんだ。数字の解釈なんて、いくらでも都合よくできてしまうからね。

でも先日、はっきりした裏付けをもらったんだよ。

新しく書いた記事に、読んでくれた方からコメントが届いたんだ。そこにはこう書かれていた。

早速、ご紹介いただいたプロンプトを試してみます

――プロンプト、なんだよ。

その記事は1万字近くあって、考え方も体験談もたくさん書いた。でも読んだ方が「持ち帰った」と言ってくれたのは、そのままコピーして使える文だったんだよね。

そしてその記事は、3日で34件保存された。それまでいちばん保存されていた記事が7週間かけて54件だったから、かなり速いペースなんだ。

数字の解釈が合っているかどうかは、自分では確かめきれない。でも読んだ人の言葉は、いちばん確かな答え合わせになるんだよ。

5. 手順書もマニュアルも、まったく同じなんだよ

ここからが、後輩A君に本当に伝えたいところだよ。

これ、ブログだけの話じゃないんだ。私たちが仕事で書く資料も、まったく同じ構造なんだよね。

読んで分かる資料   → 一度読まれて、閉じられる
作業中に開かれる資料 → 何度も開かれ、共有され、残る

後輩A君も心当たりがないかい。丁寧に書いた設計の説明書より、誰かが雑に作った「手順メモ」の方がチームで回っている――そんな場面だよ。

あれは、書き手の文章力の差じゃないんだよ。作業の最中に開く理由があるかどうかの差なんだ。

だからね、資料を書き終えたら、いちどこう自問してみてほしいんだ。

「この資料、読んだ人はもう一度開くだろうか?」

開かないな、と思ったら――それは書き直しのサインじゃないよ。足りないものが1つあるだけなんだ。

6. 「開く理由」を、1つだけ足してみようか

足すものは、この4つのどれかで十分だよ。

そのままコピーして使える文(コマンド・プロンプト・定型文)
チェックリスト(作業のたびに上からなぞれるもの)
判断の分かれ道(こういう時はA、こういう時はB)
数値の早見(設定値・料金・期限)

どれも、書くのに何時間もかからないよね。でもこれが1つ入るだけで、その資料は「読むもの」から「使うもの」に変わるんだよ。

実はこの気づき、私は身をもって体験したばかりなんだ。

先日書いた記事の初稿には、コピーできるものが1つも入っていなかったんだよ。ルールと考え方だけを丁寧に書いた原稿だった。それを読んだ人に「今回はプロンプトがないんだね」と言われて、はじめて気がついたんだ。あのまま出していたら、たぶん「いい記事だった」で終わっていたと思うよ。

慌てて章を1つ足した。コピーして使えるテンプレートを3つ、並べただけの章だよ。書くのに30分もかからなかった。でも、その30分が記事の寿命を変えるんだと思うんだよね。

もうひとつコツがあるよ。料金やルールみたいに古くなる情報を扱うときは、「自分で最新を確かめる方法」を置いておくといいんだ。書いた内容は半年で古くなるけれど、確かめ方は古くならないからね。そこまで書いてある資料は、情報が古くなっても捨てられずに残るんだよ。

結論:読んで終わる資料ではなく、開き直される資料を書こうか

今日の話をまとめるとこうだよ。

① 保存数ではなく保存率で見ると、順位はひっくり返る
長さは理由じゃない。力作の長文が最下位だった
③ 分かれ目は「あとで手を動かすとき、もう一度開くか」
④ 読んだ人が持ち帰るのは、そのまま使えるもの
⑤ 開く理由はコピーできる文・チェックリスト・判断基準・数値のどれか1つでいい

私はずっと、資料の価値を「読み応え」で測っていたんだよ。丁寧に、詳しく、分かりやすく――そこばかり考えていた。でも読む側は、読み応えでは保存しないんだよね。保存するのは「また使うから」という、もっと実利的な理由なんだ。

これは、書き手にとって少しさみしい発見かもしれないね。でも私は、むしろ気が楽になったよ。名文を書かなくてもいいということだからね。コピーできる一行を足すだけで、その資料は誰かの手元に残るんだよ。

後輩A君も、次に資料を書き終えたら、最後にこう聞いてみようか。「これ、もう一度開かれるかな?」って。答えがノーなら、開く理由を1つ足せばいいだけなんだよ。

よくある質問

Q1. 保存率って、どのくらいあれば良いの?

場所によって違うので、絶対的な基準は作れないよ。大事なのは自分の中で並べ替えることなんだ。私の場合は「上位が16%台、下位が4%台」と3倍以上の差がついた。この差がどこから来ているかを考えるのが本題であって、数字そのものを他人と比べる意味はあまりないんだよね。

Q2. 読み物系の記事は、書く意味がないってこと?

そんなことはないよ。体験談や考え方の記事は、読んだ人の心に残るし、書き手を知ってもらう入口にもなる。保存されないだけで、価値がないわけじゃないんだ。大事なのは「この記事は保存されるタイプか、そうでないか」を分かって書くことだね。両方あっていいんだよ。

Q3. コピーできるものが入れられないテーマもあるよね?

あるよ。そういう時は「判断の分かれ道」を書くのがおすすめだね。「こういう場合はA、こういう場合はB」という表が1つあるだけで、読者は迷ったときに戻ってくる。手順が書けないテーマでも、判断基準なら大抵書けるんだよ。

Q4. 資料を書き直す時間がない時は?

全部を直す必要はないんだよ。最後に1つ足すだけでいい。チェックリストなら5分で書けるよね。今ある資料を1本選んで、末尾にチェックリストを足してみようか。それだけで、その資料は次から開かれるようになるんだ。前回の記事で書いた「あるべき状態を数える」と同じで、小さく足すのが続けるコツなんだよ。

【本日のミッション:開く理由を1つ足してみようか】

  • ☐ 自分が書いた資料を1本開いて、「これ、もう一度開かれるかな?」と考えてみようか
  • ☐ 開かれないと思ったら、チェックリストかコピーできる文を1つ足してみようか
  • ☐ (後輩A君へ)名文じゃなくていいんだよ。また使える一行があるかどうかで、資料の寿命は決まるんだ

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