おはよう、後輩A君。
エクセルを開いたら、セルにこんな文字が並んでいた――そんな経験はないかな。
#REF! #VALUE! #DIV/0! #N/A
数字が入っているはずのところに、記号だらけの文字が出ているんだよね。壊れたのかと思って焦るよね。
でも大丈夫だよ。これはエラーではなくて、メッセージなんだ。エクセルが「ここで困っています」と教えてくれているんだよね。
今日はそれぞれが何を言っているのかと、直し方を書くね。
1. まず知っておいてほしいこと
この表示が出ても、ファイルは壊れていないんだ。
出ているのはそのセルだけで、他のデータは無事だよ。慌てて閉じたり、作り直したりしなくて大丈夫なんだ。
そして大事なのはここだよ。
表示されている文字が、原因を教えてくれている。
5種類くらい覚えておけば、たいていは自分で直せるんだ。ひとつずつ見ていこうか。
2. #REF! → 参照先が消えた
いちばんよく見るのがこれだと思うよ。
REFは「参照」という意味の英語(reference)の略なんだ。見に行く先が無くなったということだね。
いちばん多い原因はこれだよ。
数式が使っていた行や列を、削除してしまった
たとえばC列の数式が「A1とB1を足す」だったとするよね。そこでA列を削除すると、数式は行き先を失うんだ。それで #REF! になるんだよ。
直し方
・気づいた直後ならCtrl+Z(Mac は command+Z)で戻す
・戻せないなら、数式を書き直す
⚠️ ここは正直に書くね。#REF! は自動では直らないんだ。消えた参照先は復元できないから、数式を人が書き直すしかないんだよ。
だから予防が大事なんだよね。並べ替えの話でも書いたけれど、大きな表をいじる前に別名で保存しておくと、こういうときに戻れるんだ。
3. #VALUE! → 種類が合っていない
これは計算できないものを計算しようとしたときに出るんだ。
いちばん多いのは、数字のつもりが文字だったケースだよ。
=A1+B1 という数式で
A1に「100」(数値)
B1に「100円」(文字)
↓
#VALUE!
「100円」は人間には数字に見えるけれど、エクセルにとっては文字なんだよね。文字は足し算できないんだ。
直し方
・単位や記号をセルから外す(「円」は表示形式で付ける)
・空白が混ざっていないか確認する
・見た目が数字なのに左寄せなら、それは文字だよ
最後のところ、合計が0になる話と同じなんだ。左寄せか右寄せかで見分けられるんだよね。#VALUE! と「合計が0」は、兄弟みたいなものなんだ。
4. #DIV/0! → 0で割った
これは分かりやすいよ。0で割り算をしたときに出るんだ。
数学的に0で割ることはできないから、エクセルも「できません」と言っているんだよね。
よくあるのは割る数のセルがまだ空のときだよ。
=売上 ÷ 件数
件数がまだ入力されていない(空欄)
↓
#DIV/0!
データが揃う前の表で、ずらっと並ぶことがあるんだよね。
直し方
・割る数が入るのを待つ(そのうち自然に直る)
・見た目が気になるなら、IFERROR関数で隠す
IFERROR というのは「エラーだったら、代わりにこれを表示して」という命令だよ。
=IFERROR(元の数式, “”)
こう書くと、エラーのときは空欄に見えるんだ。人に見せる表では便利だね。
⚠️ ただし注意があるんだ。IFERROR は隠すだけで、直してはいないんだよね。本当に直すべきエラーまで見えなくなるから、原因が分かっているときだけ使うのがいいと思うよ。
5. #N/A → 探したけれど、見つからなかった
これはVLOOKUPなどで検索したときに出るんだ。探したものが無かったという意味だよ。
つまりエラーというより「報告」なんだよね。ちゃんと探した上で「ありませんでした」と言っているんだ。
原因でいちばん多いのは、この2つだよ。
① 本当に無い(新しいコードがまだ表に無い、など)
② あるはずなのに見つからない(余分な空白、全角と半角の違いなど)
②が厄介なんだ。目で見ると同じに見えるからね。
直し方
・探す値と、探される表の値を両方見比べる
・空白が混ざっていないか(前後に見えない空白があることがあるよ)
・全角と半角が混ざっていないか
6. #NAME? → 名前を間違えた
最後にもうひとつ。これは関数名やセルの書き方を間違えたときに出るんだ。
=SUN(A1:A10) ← SUM のつもりが SUN
↓
#NAME?
打ち間違いだね。あとは文字を引用符で囲み忘れたときにも出るよ。
直し方
・関数名のつづりを確認する
・文字を扱うときは “ ” で囲む
これはいちばん直しやすいエラーだと思うよ。打ち間違いを教えてくれているだけだからね。
7. まとめて覚えるコツ
5つ出てきたよね。でも丸暗記しなくていいんだ。
こう考えると分かりやすいと思うよ。
#REF! → 行き先が無い
#VALUE! → 種類が違う
#DIV/0! → 0で割った
#N/A → 見つからない
#NAME? → 名前が違う
英語の意味がそのまま原因になっているんだよね。REF=参照、VALUE=値、DIV=割り算、N/A=該当なし、NAME=名前だよ。
――こうして並べると、エクセルはけっこう親切だと思うんだ。「エラーです」とだけ言うのではなく、何で困っているかまで教えてくれているんだからね。
8. このシリーズで言い続けていること
エクセルの困りごとを書くのは、今日で6本目になるんだ。
① 指数表示になる
② 先頭の0が消える
③ 「1-2」が日付になる
④ 並べ替えたら行がバラバラ
⑤ 数字なのに計算されない
⑥ エラー表示が出る ← 今日
①〜⑤には共通点があったよね。エクセルが勝手に種類を決めていたことだよ。
今日の⑥は少し違うんだ。エクセルが「決められません」と言っている状態なんだよね。
――でも実は裏表なんだよ。勝手に決めるときは黙って進むけれど、決められないときは声を上げるんだ。
だから怖いのは、実は①〜⑤の方なんだよね。エラーが出ないまま、間違った結果が出ているんだから。今日のエラー表示は気づけるだけ親切なんだ。
結論:記号は、困りごとの説明だよ
今日の話をまとめるとこうだよ。
① エラー表示が出てもファイルは壊れていない
② #REF! 行き先が消えた → Ctrl+Zか書き直し
③ #VALUE! 種類が違う → 文字が混ざっていないか(左寄せを疑う)
④ #DIV/0! 0で割った → データが揃えば直る
⑤ #N/A 見つからない → 空白や全角半角を確認
⑥ #NAME? 名前が違う → つづりの確認
⑦ エラーが出るのは親切。怖いのは黙って間違う方
私も最初のころは、この記号が出ると作り直していたんだ。原因が分からないから、直しようがなかったんだよね。
でも意味を知ってからは、むしろありがたいと思うようになったよ。どこで困っているかを、その場で教えてくれるんだからね。
後輩A君も、記号が出たら――まず何と書いてあるか読んでみようか。たいてい答えは、そこに書いてあるんだよ。
よくある質問
Q1. エラーを全部 IFERROR で隠すのはダメですか?
おすすめしないよ。隠れるだけで直っていないからね。特に人に渡す表だと、受け取った人が間違いに気づけなくなるんだ。使うなら原因が分かっていて、出ても問題ないと判断したときだけにしようか。
Q2. #REF! は本当に元に戻せませんか?
数式そのものは戻せないんだ。消えた参照先の情報が失われているからね。ただしファイルを保存する前ならCtrl+Zで戻せるし、OneDriveなどに置いてあればバージョン履歴から前の状態に戻せることがあるよ。まずはそこを確認してみようか。
Q3. #N/A が出るけれど、値はあるはずなんです
見えない違いを疑ってみようか。前後の空白、全角と半角、大文字と小文字だね。LEN関数で文字数を数えると分かりやすいよ。「1001」なら4文字のはずが5文字なら、何かが混ざっているということだからね。
Q4. エラーの意味を毎回調べるのが面倒です
5つだけ覚えれば、たいてい足りると思うよ。しかも英語の意味がそのまま原因なんだ。REF=参照、VALUE=値、DIV=割り算、NAME=名前だね。暗記というより、読めば分かるものなんだよ。
【本日のミッション:記号を読んでみようか】
- ☐ 手元の表に#で始まる表示がないか探してみようか
- ☐ あったら、何と書いてあるか読んでみようか
- ☐ (後輩A君へ)意味が分かれば、たいていその場で直せるんだよ。作り直す前に、読んでみようか
📚 AI活用シリーズ(おすすめ)

コメント