おはよう、後輩A君。
今日はね、アリサちゃんの話をしようと思うんだ。「ちゃんと全部説明したのに、相手に伝わらなかった」っていう話なんだけど、ここには仕事の本質みたいなものが隠れているんだよね。
1. 私がアリサちゃんに渡した「ミッション」
現場ではね、同じシステムの保守を種目ごとにチームで分けていて、毎週それぞれの代表者が集まって情報共有をしているんだ。アリサちゃんには、その打ち合わせに一人で参加してもらっているんだよね。
今度、他のチームの画面に影響が出る修正をすることになったから、私はアリサちゃんにお願いしたんだ。「こういう修正をそちらの画面にするので、よろしくね、って伝えてね」ってね。
ここで大事なのは、私が渡したのは「情報を伝える」というミッションだったってことなんだよ。「伝える」っていうのは、相手にちゃんと届いて、理解してもらうところまでがゴールなんだよね。
2. 「伝えた」のに、相手は「わからない」と言った
ところがね、打ち合わせが終わるや否や、影響を受けるチームのリーダーが私のところに飛んできて、こう言うんだよ。「アリサがよくわからないことを言っているんだけど、何なの?」ってね。
それでね、私がそのリーダーに「斯々然々で、そちらの画面のこの部分を修正するんだ。影響が出ないように直す予定なんだよね」って説明したら、すぐに「なんだ、じゃあ影響は最小限だね。しかもその修正の仕方、いいね」って納得してくれたんだよ。
あんまり褒めてくれるから、私もつい調子に乗ってね。「この修正がいいなと思った方は、高評価とチャンネル登録をお願いします」ってYouTuberっぽく冗談を言ったら、「ガハハ」って笑ってくれてさ。
ここでね、はっきりしたことがあるんだ。伝えている中身は、アリサちゃんも私も同じなんだよ。なのに、私は伝わって、アリサちゃんは伝わらなかった。つまり、ミッションが達成できなかったんだよね。
3. 「伝えて」を「そのまま言って」と思っていないか
翌日、アリサちゃんが「他チームのリーダーから、がん詰めされたんです」って来てね。「これは説明したの?」って聞いたら、「それらは全部説明しました」って言うんだよ。
でもね、後輩A君。ここに落とし穴があるんだ。アリサちゃんはたぶん、「伝えて」と言われたから、私が言ったことをそのまま口に出せばいいと思っているんだよね。だから「全部説明した」で自分の中では完了してしまう。
でも、それは「伝える」じゃなくて「言う」なんだよ。本当に考えてほしいのはね、「自分のこの言い方で、相手にちゃんと伝わるだろうか?」ということなんだ。話して伝わらなかったら、言葉を変える。それでもダメなら、図や資料を出す。何を駆使してでも相手に届け切る——そこまでやって、初めてミッション達成なんだよ。「言ったのに伝わらない」は、仕事としてはまだ終わっていないんだよね。
4. 届け方の工夫——先輩流・馬鹿話からの「バッサリ本題」
じゃあどうやって届けるか。中身を正しくするのはもちろんだけど、私は「相手が受け取りやすい空気を作る」のも立派な手段だと思っているんだ。
アリサちゃんはね、真面目でジョークが言えない、棒読みの会話しかできないタイプなんだ。それ自体は誠実さの裏返しで、悪いことじゃないよ。でもね、彼女の話し方は、困りごとを並べて「これを解決できないのはあなたのせいです」って聞こえてしまう論法になりがちなんだ。本人にそのつもりは全くないんだけどね。
私がよくやる手はこうだよ。まず「優秀なXXXさんに、ぜひ教えてほしいことがあるんだよね〜」なんて持ち上げる馬鹿話から入る。30秒くらい場をあたためたら、自分で「まあ、そんな馬鹿話はいいとして」ってバッサリ切って、本題に戻すんだ。このワンクッションが相手の警戒心をほどいて、こっちの話を聞く姿勢を作ってくれるんだよね。
これも立派な「伝えるための手段」なんだよ。アリサちゃんに無理に芸人になれとは言わない。でも、言葉も、資料も、空気作りも、全部「伝え切るための道具」だと考えてみてほしいんだよね。
結論:仕事は「言った」じゃなく「伝わった」で終わるんだよ
「全部説明した」は、自分側の事実でしかないんだよ。相手が理解して、安心して、動けるようになって、初めてミッションは達成なんだよね。話で伝わらないなら、言葉を変え、資料を出し、空気を作る。何を駆使してでも届け切る——それが「伝える」という仕事なんだ。
後輩A君も、何かを頼まれたら「自分は言った」で止めないでおこうか。「相手に伝わったか?」までを自分の責任だと思えたら、それだけで仕事の質はぐっと上がるんだよ。
【本日のミッション:「伝わった」までを自分の仕事にしてみようか】
- ☐ 「伝えて」と頼まれたら、そのまま流さず「どう言えば伝わるか」を一度考えてみようか
- ☐ 話で伝わらなかったら、言葉を変える・図や資料を出すなど、手段を変えてみようか
- ☐ (後輩A君へ)報告や説明は「言った」じゃなく「伝わった」がゴールなんだよ。そこまでやり切る人が、信頼される人になるんだよ


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