おはよう、後輩A君。
木曜日だね。今週も後半戦、疲れは溜まっていないかな?
最近ね、現場の女の子——アリサちゃんに仕事を教えているんだけど、ふとこんなことを言われたんだよ。
「先輩って、色々考えてお話されているんですね」って。
私は少し驚いちゃってね。だって私、彼女には普段から馬鹿な会話しかしていなかったつもりだったからね。
例えば、彼女から話しかけられても、用件を聞く前に「おっ、今日元気そうじゃん!」って茶化してみたり。「作業できました!」って持ってきた成果物に対しても、「確認した? え、3回? 3回じゃ駄目だよ、5回確認しなきゃ!」なんて、冗談っぽく突っ込んだりね。
そんな私が、なぜ「色々考えている」と見抜かれたのか。今日は、職場コミュニケーションの「裏側」について話してみようか。
1. 雑談も冗談も、実は「計算」なんだよ
後輩A君、「先輩、真面目に仕事教えてあげてくださいよ」って思うよね。でもね、あの馬鹿な会話には、ちゃんと目的があるんだよ。
いきなり正論やマニュアルをぶつけても、相手は緊張して質問しづらくなってしまう。これはエンジニアの現場でも、営業の現場でも同じなんだよね。
だから私はまず冗談で「心理的なハードル」を下げる。そして「5回確認!」と笑いながら言うことで、私が一番大切にしている「凡事徹底」の精神を、威圧感なく伝えているんだ。
「この人には、失敗しても怒られないな」「質問しても大丈夫だな」——そういう心理的安全性を作るための、私なりの計算なんだよ。
ちなみに、Googleの社内研究「プロジェクト・アリストテレス」でも、チームのパフォーマンスを左右する最大の要因は「心理的安全性」だって結論が出ているんだよね。雑談や冗談は、その安全性をつくる立派なツールなんだよ。
2. ギャップが見せた「プロの顔」
じゃあ、なぜアリサちゃんがその計算に気づいたかというと、別のタイミングで私の「違う顔」を見たからなんだ。
あの日、お客さんとシステム修正の仕様と、リリースタイミングについて、かなりシビアな調整があったんだよ。
あちらの要望もわかる。でも、こちらの開発リソースにも限界がある。その両方の事情を整理して、「お互いが納得できる落とし所」を見つけて話をまとめ上げたんだ。ゴリ押しでもなく、一方的に譲るわけでもなく、ね。
そして、無事に交渉を終えて自席に戻ってきた時、アリサちゃんがポツリと言ったんだよね。
「先輩って、色々考えてお話されているんですね」って。
彼女は普段の「ふざけた私」と、交渉中の「真剣な私」の両方を見ていたんだよ。そのギャップが、逆に「意図的に使い分けている人だ」という印象を与えたんだと思う。
3. 仕事の会話には「3つのモード」があるんだよ
ここで後輩A君に整理して伝えたいんだけど、職場でのコミュニケーションって、大きく3つのモードがあると思うんだよね。
- 【リラックスモード】相手の緊張をほぐし、「この人には話せる」という安心感をつくる会話。雑談・冗談・ちょっとしたほめ言葉がここに入る。
- 【引き締めモード】チームの意識を高めたい時、質を上げてほしい時に使う。あえて少し厳しく言うことで、「本気でやってほしい」という意図を伝える。
- 【交渉モード】お客さんや上司と利益・スケジュールの話をする時。感情を抑えて、ロジックと相手への配慮を両立させる。
仕事ができるエンジニアというのは、技術力だけじゃなく、この3つのモードを意識して使い分けられる人なんだよ。
4. 「何のためにこの言葉を発するか」を考えてみようか
後輩A君。今日の話をひとことで言うとね、こういうことなんだよ。
言葉は手段であって、目的じゃない。
相手を笑わせるのも、論破するのも、励ますのも——すべては「プロジェクトを円滑に進めるため」「相手に成長してもらうため」という目的のための手段でしかないんだよね。
これから君も後輩に教える立場になり、お客さんと交渉する機会が増えてくるはずだ。その時、自分が発しようとしている言葉の「目的」を、1秒だけ考えてみようか。
「今から言うこれは、相手のためになるか? プロジェクトの役に立つか?」——その問いを持つだけで、君の職場でのコミュニケーションは確実に変わっていくんだよ。
結論:言葉の目的を持てば、君の仕事は変わる
雑談も、冗談も、交渉も——すべては「その場に最も必要なゴール」から逆算して言葉を選ぶことで成り立っているんだよ。
さあ、今日もガチガチに緊張せずに、目的を持った会話で仕事を進めてみようか!
【木曜日のミッション:言葉の目的を考えてみようか】
- ☐ 誰かに話しかける時、「この会話で相手にどうなってほしいか」を1秒だけ考えてみようか
- ☐ 後輩や同僚の緊張をほぐすために、ちょっとした雑談や冗談を振ってみようか
- ☐ 意見がぶつかった時、相手を言い負かすのではなく「落とし所」を探す会話をしてみようか
- ☐ (後輩A君へ)今日、自分が発した言葉の「目的」を1つだけ振り返ってみようか。それだけで、君は確実に一歩成長できるんだよ

