「A君を半分貸して。代わりに1人入れるから」という提案を、私が秒速で断った理由

A君の成長

おはよう、後輩A君。 火曜日だね。
昨日の夕方、他部署から少し変な相談があったのを覚えているかい? 「後輩A君の時間を半分(0.5人月)貸してほしい。その代わり、別の担当者を1人(1.0人月)そちらのチームに追加するから」 という話だ。

後輩A君はこう思ったかもしれないね。 「えっ? 半分貸して1人来るなら、僕らのチームは『0.5人分』得するんじゃないですか? 断っちゃって良かったんですか?」
後輩A君。 その計算は、算数としては正解だ。 でも、仕事の現場では「0点」の計算なんだよ。

今日は、私がなぜこの「お得に見える取引」を断固拒否したのか、その理由を話そう。

1. 「ベテランの0.5」と「新人の1.0」は等価じゃない

まず、大前提として。 今の君(後輩A君)は、このプロジェクトの背景も、システムの中身も、チームの呼吸もすべて熟知している。 君の「0.5」は、「超高密度の0.5」だ。
一方、代わりに来るという「1人」は誰だ? 今の深刻な人材不足の中で、急にアサインされる人材だ。 おそらく、この業務を全く知らない、初対面の人だろう。

「何も知らない1人」が入ってくると、どうなると思う?

  • PCのセットアップから教える。

  • フォルダの場所を教える。

  • 業務ルールをイチから説明する。

誰がそれをやるんだい? 私か、あるいは残った「半分の君」だ。
つまり、「1人増える」んじゃない。「教育係という負荷が増える」んだよ。 差し引きで言えば、チームの戦力はマイナスになる。これが現実だ。

2. 「あわよくば」という下心が見えた

さらに、昨日の提案にはもう一つ罠があった。 「ついでに、あのリスト整理も後輩A君にお願いできないかな?」
出たよ、「スコープ・クリープ(範囲の忍び寄り)」だ。 後輩A君という優秀なリソースを借りるついでに、面倒な雑務も押し付けようという魂胆が見え隠れしていた。

「困っている時はお互い様」と言うけれど、それは対等な関係の時だけだ。 こちらの戦力を削ぎ、リスク(教育コスト)だけを押し付け、さらに追加注文までしてくる。 これは協力じゃない。「搾取」だ。

3. 君の価値は、もっと高い

私が断った一番の理由はね、後輩A君。 「君の代わりなんて、そう簡単にはいない」ってことだよ。
「誰でもいいから1人入れれば、数字上は合うだろう」 そんな乱暴な計算で、君を切り売りしたくなかったんだ。

君がこれまで積み上げてきたスキルや信頼は、急に来た「1人」で埋まるほど安くない。 それを相手チーム(と君自身)に分かってほしかったんだ。

結論:チームを守るのが私の仕事だ

断ったことで、相手チームは少し不満顔だったかもしれない。 でも、それでいい。

私の仕事は、他部署にいい顔をすることじゃない。 君たちが余計な荷物を背負わされず、本来のパフォーマンスを発揮できる環境を守ることだからね。

だから後輩A君。 君は「代わりが来たのに…」なんて気にしなくていい。 その分、今のチームで思う存分暴れてくれ。それが一番の貢献だよ。
さあ、今日も外野の雑音はシャットアウトして、自分たちの仕事に集中しようか!


【火曜日のミッション:自分の価値を知る】

  • [ ] 今の仕事で「自分にしか分からないこと(暗黙知)」がないか探す

  • [ ] もし明日、新人が隣に来たら、何を教えるのに何時間かかるか想像してみる

  • [ ] 「自分は代えが効かない存在だ」と、ちょっとだけ胸を張る

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