後輩A君、保険の選び方を見直そう!
今日は、後輩A君がどんな保険に入っているのか、ちょっと考えてみたいと思います。生命保険、医療保険、火災保険、自動車保険、傷害保険…本当にたくさんの種類がありますよね。でも、もしかしたら後輩A君は入りすぎているかもしれません。
この記事は「保険の見直しシリーズ」の入口です。考え方の土台をここで説明して、保険の種類ごとの具体的な見直し方は各記事で解説します。

保険に入る前に考えるべきこと
まず、保険に入る前に「本当に必要か?」「どれくらいの保険金が必要か?」をしっかり考えることが大切です。例えば、私の両親はニッセイの終身保険に加入していて、55歳の時に契約しました。支払期間は10年で、合計430万円を支払うと、死亡時に410万円の保険金が受け取れるという内容です。これって、本当に必要だったのかな?もし430万円を貯金していたら、もっとお得だったかもしれませんね。
保険の「お得」とは?
保険は「お得」とか言うものではないという意見もありますが、実際にはこの保険はあまり良いものとは言えません。両親が55歳の時、家族全員が社会人になっていて、保険が必要な状況ではなかったのに、毎月3万円、ボーナス時には6万円も払っていたんです。このお金がなければ、毎月外食を楽しめたかもしれません。
もし、このお金をインデックスファンドに投資していたら、倍近くになっていた可能性もあります。この保険は保険会社が運用していますが、年率が1.2%しかないため、実質的には「少額の掛け捨ての生命保険」と「高額な手数料の投資信託」を買っているのと同じです。今の私なら、絶対にこの保険には入らないし、両親にもやめるように勧めます。「保険でお金が増える」と勧められたときの注意点は変額保険の記事で詳しく書いています。
保険の仕組みを理解しよう
保険の仕組みは、多くの人が保険料を支払い合い、必要な人に給付する助け合いの制度です。例えば、1万人から1万円ずつ集めて、その1億円から事故にあった人に保険金を支払うという形です。保険会社はその中で事故の審査や事務処理を行い、手数料をもらう仕組みになっています。
自動車事故にあう確率を仮に0.25%とすると、1万人の中で事故にあうのは約25人。そのため、1事故あたり400万円規模の保険金を支払えるのが保険の基本です。「めったに起きないが、起きたら生きていけない」事態にこそ保険は強いのです。
逆に、風邪を引いた時の保険を考えてみましょう。風邪にかかる確率が80%だとすると、8,000人が風邪にかかります。1人あたりに支払える保険金は12,500円。ここから保険会社の経費が引かれると、支払った1万円とほぼ同じです。だから、高確率で起きる出来事への保険は成り立たないんです。風邪の治療費は保険ではなく貯金で払うべき、ということですね。

公的保険を活用しよう
さて、A君は日本人全員が加入している「公的保険」があることを知っていますか?この公的保険は、給料から天引きされていて、病院に行った時に支払う金額が3割で済むのはこの保険のおかげです。実は日本の公的保険はとても手厚くて、医療費の上限(高額療養費制度)、働けないときの給付(傷病手当金)、遺族の生活費(遺族年金)まで揃っています。
だから、「公的保険がどこまで守ってくれるか」を知って、足りない分だけを民間保険で補う。これが保険見直しの基本方針です。保険の種類ごとの答えは、それぞれの記事にまとめてあります。
- 医療保険は必要? → 高額療養費制度を知れば、貯金で備えられます
- 生命保険は必要? → 独身なら不要。家族がいれば遺族年金との差額を掛け捨てで
- 火災保険は必要? → 賃貸の本体は借家人賠償。自分で選べば年5,000円程度
- 自動車保険は必要? → 対人・対物無制限が本体。同乗の友人は対人賠償でカバー
保険見直しの手順は3ステップ
実際に見直すときは、この順番でやってみましょう。
- 今入っている保険を全部書き出す:保険料(月額・年額)、保障内容、いつまで払うのかを一覧にします。ここで「思ったより払ってる…」と気づく人が多いんです
- 「それが起きたら生きていけないか?」で仕分ける:公的保険と貯金でカバーできるものは解約候補。カバーできない大きなリスク(家族の生活費・火災・対人賠償)だけを残します
- 必要な保障だけを掛け捨てで入り直す:貯蓄型はNG。浮いたお金は自分の満足度アップと、将来のための貯蓄・投資へ回しましょう
よくある質問(FAQ)
Q. 保険の見直しは何から始めればいいですか?
まず今入っている保険を全部書き出すことからです。そのうえで「公的保険と貯金でカバーできるか」で仕分けます。種類ごとの考え方は上のリンクの各記事を見てくださいね。
Q. 掛け捨てはもったいなくないですか?
もったいなくありません。保険は助け合いの仕組みで、掛け捨てこそが保険の本来の形です。「お金が戻ってくる保険」は、保険と割高な運用商品のセット買いになりがちです。詳しくは変額保険の記事へ。
Q. 無料の保険相談で見直してもらうのはどうですか?
無料相談には「無料である理由」があります。相談員は保険を販売した手数料で収入を得ているからです。行く前に無料FP相談会の落とし穴の記事を読んでみてください。
Q. 入りすぎかどうかの目安はありますか?
「その保険が備えている事態は、起きたら貯金では生きていけないか?」と自問するのが一番の目安です。答えがNOなら、その保険は貯金で置き換えられます。
結論:知識こそ最強の保険です
保険選びで一番大事なのは、商品比較の前に「公的保険で何が守られているか」を知ることです。知識があれば、勧められるままに入りすぎることはなくなります。後輩A君も、まずは今月の給与明細と保険証券を並べるところから始めてみましょうか。
なお、保険の要否は家族構成・貯金額・働き方で変わります。この記事は私の考え方であって、最終的な判断はご自身の状況に合わせてくださいね。

